「くも膜下出血、破裂脳動脈瘤(はれつのうどうみゃくりゅう)」の手術・治療件数の全国病院ランキングです。2014年の実績ベース。厚生労働省(厚労省)のデータに基づいています。くも膜下出血、破裂脳動脈瘤専門の医師がいる全国の病院が対象です。1位は埼玉医科大学国際医療センター、2位は仙台医療センター、3位は国立循環器病研究センター病院となっています。(医療・介護情報メディア「リトリート」編集部 大畑亮介)
手術・治療件数ランキング(全国トップ30)~2014年実績
順位 | 病院名 | 手術数 | 処置数 | 合計 |
---|---|---|---|---|
1位 | 埼玉医科大学国際医療センター (埼玉県日高市) |
93 | 31 | 115 |
2位 | 国立病院機構 仙台医療センター (宮城県仙台市) |
69 | 14 | 84 |
3位 | 国立循環器病研究センター病院 (大阪府吹田市) |
53 | 19 | 77 |
4位 | 千葉脳神経外科病院 (千葉県千葉市) |
51 | 31 | 76 |
5位 | 岩手県立中部病院 (岩手県北上市) |
65 | 0 | 72 |
6位 | 済生会熊本病院 (熊本県熊本市) |
65 | 11 | 70 |
7位 | 倉敷中央病院 (岡山県倉敷市) |
46 | 18 | 67 |
8位 | 帝京大学医学部附属病院 (東京都板橋区) |
48 | 0 | 66 |
筑波メディカルセンター病院 (茨城県つくば市) |
58 | 0 | 66 | |
10位 | 旭川赤十字病院 (北海道旭川市) |
73 | 0 | 64 |
11位 | 青森県立中央病院 (青森県青森市) |
58 | 12 | 63 |
東京都立墨東病院 (東京都墨田区) |
63 | 0 | 63 | |
13位 | 神戸市立医療センター中央市民病院 (兵庫県神戸市) |
47 | 13 | 61 |
大崎市民病院 (宮城県大崎市) |
46 | 13 | 61 | |
15位 | 中村記念病院 (札幌市中央区) |
59 | 0 | 60 |
16位 | 愛媛県立中央病院 (愛媛県松山市) |
51 | 0 | 58 |
17位 | 京都第二赤十字病院 (京都府京都市) |
37 | 20 | 57 |
18位 | 獨協医科大学病院 (栃木県壬生町) |
48 | 0 | 56 |
大垣市民病院 (岐阜県大垣市) |
49 | 0 | 56 | |
20位 | さいたま赤十字病院 (埼玉県さいたま市) |
37 | 10 | 55 |
21位 | 国立病院機構 熊本医療センター (熊本県熊本市) |
33 | 22 | 54 |
熊本赤十字病院 (熊本県熊本市) |
50 | 10 | 54 | |
いわき市立総合磐城共立病院 (福島県いわき市) |
34 | 0 | 54 | |
24位 | 順天堂大学医学部附属静岡病院 (静岡県伊豆の国市) |
41 | 11 | 53 |
25位 | 公立昭和病院 (東京都小平市) |
55 | 0 | 52 |
26位 | 総合病院 国保旭中央病院 (千葉県旭市) |
43 | 14 | 51 |
脳神経センター大田記念病院 (広島県福山市) |
34 | 0 | 51 | |
福岡徳洲会病院 (福岡県春日市) |
30 | 0 | 51 | |
29位 | 東海大学医学部付属病院 (神奈川県伊勢原市) |
57 | 0 | 50 |
埼玉医科大学総合医療センター (埼玉県川越市) |
35 | 0 | 50 |
くも膜下出血とは
脳は、三重の膜によって囲まれています。
脳にもっとも近い部分を軟膜、その上を囲っているのをくも膜、さらにその上を囲っているのを硬膜といいます。この硬膜の上を硬い頭蓋骨がおおっているわけです。
この軟膜、くも膜、硬膜の間は、それぞれ髄液とよばれる液で満たされています。ちょうど脳は、液体のいっぱい入っている頭蓋骨という器の中におさまっているわけです。頭部がこのような構造になっているのは、外から少々の衝撃が加わっても、損傷を受けない自然の防御装置ともいえます。
脳を囲んでいるくも膜に血液を送っている動脈が破れ、くも膜と他の膜の間に血液があふれ出たものをくも膜下出血といいます。
くも膜下出血の約八〇パーセントは、動脈にこぶ(動脈瘤)ができて、これが破れたものですが、残りは、先天的に動脈に狭窄などの奇型があって、この部分が破れるものです。
脳内出血は、中年以降の年代の人に多いのですが、このくも膜出血は、若い人にしばしば起こります。
意識障害は、太ももをつねったりして痛みを与えると、手ではらい除けようとする程度の意識が残っていることもありますが、まったく反応を示さない昏睡状態のこともあります。
手足がまひすることは、ほとんどありません。
<引用文献>
・「家庭医学事典―ビッグドクター・ハンディ判」