「急性心筋梗塞、再発性心筋梗塞」の手術・治療件数の全国病院ランキングです。2014年の実績ベース。厚生労働省(厚労省)のデータに基づいています。急性心筋梗塞、再発性心筋梗塞の専門医師がいる全国の病院が対象です。1位は小倉記念病院、2位は仙台厚生病院、3位は埼玉石心会病院となっています。(医療・介護情報メディア「リトリート」編集部 大畑亮介)
手術件数ランキング(全国トップ30)~2014年実績
順位 | 病院名 | 手術数+処置数 |
---|---|---|
1位 | 小倉記念病院 (福岡県北九州市) |
300 |
2位 | 仙台厚生病院 (宮城県仙台市) |
295 |
3位 | 埼玉石心会病院 (埼玉県狭山市) |
279 |
4位 | 倉敷中央病院 (岡山県倉敷市) |
250 |
5位 | 埼玉医科大学国際医療センター (埼玉県日高市) |
236 |
6位 | 済生会宇都宮病院 (栃木県宇都宮市) |
226 |
7位 | 済生会熊本病院 (熊本県熊本市) |
221 |
8位 | 榊原記念病院 (東京都府中市) |
216 |
9位 | 兵庫県立姫路循環器病センター (兵庫県姫路市) |
206 |
10位 | 獨協医科大学病院 (栃木県壬生町) |
196 |
11位 | 湘南藤沢徳洲会病院 (神奈川県藤沢市) |
62 |
高槻赤十字病院 (大阪府高槻市) |
62 | |
13位 | 利根中央病院 (群馬県沼田市) |
60 |
14位 | 大同病院 (名古屋市南区) |
57 |
労働者健康福祉機構 東北労災病院 (宮城県仙台市) |
57 | 16位 | 日本鋼管病院 (神奈川県川崎市) |
55 |
17位 | 千鳥橋病院 (福岡市博多区) |
54 |
18位 | 沖縄協同病院 (沖縄県那覇市) |
53 |
19位 | 前橋赤十字病院 (群馬県前橋市) |
51 |
伊勢赤十字病院 (三重県伊勢市) |
51 | |
21位 | 名古屋掖済会病院 (名古屋市中川区) |
50 |
神戸市立医療センター中央市民病院 (兵庫県神戸市) |
50 | |
23位 | 東京都健康長寿医療センター (東京都板橋区) |
49 |
総合病院 聖隷三方原病院 (静岡県浜松市) |
49 | |
25位 | 埼玉協同病院 (埼玉県川口市) |
48 |
京都桂病院 (京都府京都市) |
48 | |
27位 | 勤医協中央病院 (札幌市東区) |
47 |
京都大学医学部附属病院 (京都府京都市) |
47 | |
29位 | 沖縄県立中部病院 (沖縄県うるま市) |
46 |
30位 | 江東病院 (東京都江東区) |
43 |
立川相互病院 (東京都立川市) |
43 | |
大垣市民病院 (岐阜県大垣市) |
43 | |
枚方公済病院 (大阪府枚方市) |
43 |
急性心筋梗塞とは
・左右の冠動脈およびその分枝が急に閉塞し、冠血流量が急減し、心筋壊死が起こり、激しい胸痛、特異な心電図変化、心筋逸脱酵素の上昇を伴う疾患である。
・冠動脈硬化を基礎とした冠動脈内血栓によるものが大部分である。
・特徴的な強い持続性の胸痛(非定型的または無痛性もある)、心電図変化(ST上昇、異常Q波、冠性T波の出現)、心筋逸脱酵素(CPK、GOT、LDHやミオグロビン)の経時的変化がそろえば、診断は比較的容易である。診断困難例には、断層心エコー法や心筋シンチグラムが参考になる。
・梗塞部位や広がりは、心電図上異常Q波の出現誘導、断層心エコーによる収縮異常の範囲、T1心筋シンチグラムの欠損域、左室造影などにより推測される。
・身体的所見は重症度により異なるが、重症度と梗塞の場所や広がりとは必ずしも並行してない。
・急性期の重大な合併症は、不整脈(心室頻拍、心室細動、Ⅲ度房室ブロック、心筋内伝導障害など)、心不全やショックなどのポンプ不全、心室中隔穿孔や自由壁破裂などの機械的損傷である。
・最近の治療の主流は、梗塞血管の再灌流療法である。再灌流の方法にはフィブリン溶解薬にて冠動脈内血栓を溶解する方法(静脈内全身投与または冠動脈内直接投与、PTCR)とPTCA(経皮的冠動脈形成術)による機械的再灌流がある。発症早期にこれらを行うことによって、梗塞域の心機能の改善や死亡率の低下が示されている。
・合併症中の不整脈による死亡は、CCUおよび抗不整脈薬の開発にて著しく減少した。ポンプ不全に対しては、利尿剤、血管拡張剤、カテコールアミン製剤などの薬物療法とともに、大動脈内バルーンパンピング法(IABP)、補助人工心臓などの補助循環療法が行われるが、なお十分ではない点も多い。
<引用文献>病名・症候辞典 照林社