「てんかん」の手術・治療件数の全国病院ランキングです。厚生労働省(厚労省)のデータに基づいています。てんかん専門の医師がいる全国の病院が対象です。1位は長崎医療センター、2位は東北大学病院、3位は大阪市立総合医療センターとなっています。(医療・介護情報メディア「リトリート」編集部 大畑亮介)
手術・治療件数ランキング(全国トップ30)~2014年実績
順位 | 病院名 | 手術数+処置数 |
---|---|---|
1位 | 国立病院機構 長崎医療センター (長崎県大村市) |
337 |
2位 | 東北大学病院 (宮城県仙台市) |
280 |
3位 | 大阪市立総合医療センター (大阪市都島区) |
243 |
4位 | 中村記念病院 (札幌市中央区) |
232 |
5位 | 岐阜県総合医療センター (岐阜県岐阜市) |
201 |
6位 | 総合病院 聖隷浜松病院 (静岡県浜松市) |
184 |
7位 | 名古屋第二赤十字病院 (名古屋市昭和区) |
167 |
大阪脳神経外科病院 (大阪府豊中市) |
167 | |
9位 | 京都大学医学部附属病院 (京都府京都市) |
165 |
10位 | 順天堂大学医学部附属順天堂医院 (東京都文京区) |
158 |
11位 | 国立循環器病研究センター病院 (大阪府吹田市) |
157 |
12位 | 東京都立墨東病院 (東京都墨田区) |
155 |
13位 | 国保 松戸市立病院 (千葉県松戸市) |
151 |
14位 | 東京女子医科大学病院 (東京都新宿区) |
148 |
15位 | 名古屋掖済会病院 (名古屋市中川区) |
147 | 浅ノ川総合病院 (石川県金沢市) |
147 |
17位 | 済生会熊本病院 (熊本県熊本市) |
144 |
18位 | 京都第二赤十字病院 (京都府京都市) |
142 |
19位 | 富永病院 (大阪市浪速区) |
140 |
大阪府立病院機構 大阪府立母子保健総合医療センター (大阪府和泉市) |
140 | |
21位 | 東京大学医学部附属病院 (東京都文京区) |
138 |
22位 | 安城更生病院 (愛知県安城市) |
135 |
公立陶生病院 (愛知県瀬戸市) |
135 | |
24位 | 神戸市立医療センター中央市民病院 (兵庫県神戸市) |
134 |
25位 | 大阪大学医学部附属病院 (大阪府吹田市) |
132 |
26位 | 順心病院 (兵庫県加古川市) |
128 |
倉敷中央病院 (岡山県倉敷市) |
128 | |
28位 | 国立病院機構 四国こどもとおとなの医療センター (香川県善通寺市) |
126 |
29位 | 仙台市立病院 (宮城県仙台市) |
124 |
30位 | 中部徳洲会病院 (沖縄県沖縄市) |
123 |
沖縄県立中部病院 (沖縄県うるま市) |
123 |
てんかんとは
・てんかんとは、意識喪失および麻痺発作を主な症状とする疾患の総称である。性格変化や知能障害もむ含めて、てんかんと考える。
・脳波にてんかん特有の変化が見出される。
・真性てんかん(genuine epilepsy)は、素因意外に原因がわからないもので、特発性てんかん(idiopathic epilepsy)ともいう。
・症候性てんかんは、脳の器質的病変により起こり、形態学的変化が証明される場合をいう。
・てんかんの有病率は一般人口の0.3~0.5%、発症率は0.03~0.04%といわれ、約半数は、特発性てんかんである。
・大発作(grand mal)は全身性痙攣で、てんかん発作の定型である。意識喪失、転倒とともに全身の筋肉の強直痙攣(tonic seizures)が起こる。10~30秒して、間代痙攣(clonic seizures)に移行する。30~40秒で終わるが、口角から泡をふくことや自律神経症状(瞳孔散大、流涙、発汗など)が現われる。尿、大便の失禁なども起こる。覚醒後に発作中の記憶はなく、逆行健忘を示すこともある。
・欠神発作(absence seizures)は、小発作(pure petit mal)ともいわれ、前兆を欠き、短時間の意識喪失のみの発作である。談話中に急に会話が途切れたり、一瞬空虚な表情になって空間をみつめる程度で終わる。小児期に多く、青年期なって治癒する例が多い。
・てんかん患者は発作出現前から一定の性格特性をもち、てんかん病質性性格といわれる特徴がある。談話は回りくどく、迅遠で保続が現われる。丁寧で几帳面だが、物事にこだわりやすく、うたぐり深くなる。感情反応は激しく爆発的となる。性格変化が高度になると、反社会的行動なども現れある。
・発作の反復によって、脳皮質に広い範囲の器質性変化が起こると、痴呆化が進む。同時に感情鈍麻が起こり、人格の水準が低下し、人格荒廃に至ることもある。
・診断は、第一に発作の確認、さらに過呼吸試験、水試験、脳波などによる。
・治療は、症候性てんかんのある種のものは手術的にも治療が可能である。突発性てんかんの成功例は、側頭葉てんかんの場合ぐらいである。主として抗てんかん薬による薬物治療法による。
・経過は慢性である。約5%に自然治癒があるという。
〈引用文献〉病名・症候辞典 照林社